中国非公立医療機構協会とは
Chinese Non-government Medical Institutions (CNMIA)
中国非公立医療機構協会(CNMIA)は、中国国務院、国家衛生・計画委員会、民政部の認可を受けた、国家一級※1に位置づけられる非営利の協会。
中国の民間資本の医療機関と中国政府の橋渡し役であり、かつ傘下の医療機関を指導監督する立場にあり、医療水準の向上や経営の拡大などを後押しする様々なプロジェクトを展開している。
※1 「国家一級」とは、中央政府の省庁のもとに活動する組織を
指し、その構成メンバーは公務員であり、中国共産党の書記が
在籍している。日本の独立行政法人に準ずる。
1)加盟医療機関
中国非公立病院とは、公的資金100%以外の医療機関であり、外資内外の合弁、官民、株式、企業連合、個人などの形態がある。
全国で44.6万機関あるが、同協会には診療所等を除いた22万の医療機関が加盟している。
2)協会の概要
本協会は4 年前に設立され、本部は北京に置かれている。
医療分野別に38 の⽀支部が存在する。また、地⽅方には全31 省のうち、15 省において、地方協会が設立されている。
慢性病の分野では地方の医療機関44 万機関がある。
協会は、以下のような組織(法⼈人)も保有している。
- 会員機関の管理技能を向上させる合弁会社
- インターネットサービスの管理運用会社
- 平安保険の協力を得て設立した医療機構
また、協会は46 万人の会員向けのEC サイトを運用しており、今後会員に向け、日本企業の製品の認証や推薦事業を行っていく予定である。
3)会長 郝德明(ハオ デェ ミン) 氏
- 中国非公立(私立)医療機構協会 常務副会長 幹事長
- 中国非公立(私立)医療機構協会 創立者 法定代表者
- 上海交通⼤大学 客員教授
- 国家健康産業研究院 エキスパートアドバイザー
- 国家発展改⾰革委員会(※2)
- 健康サービス業品質指導委員会副主任委員
※2 中華人民共和国国家発展改⾰革委員会は、中華人民共和国国務院に属する行政部門。 経済と社会の政策の研究、経済のマクロ調整などを行う。経済政策を一手に握る職務的重要性から⼩国務院とも呼ばれ、歴代の指導者は国務院副総理や国務委員が兼任する例が多い。また、近年では主任経験者が経済担当の副総理、国務委員へと昇格している。
4)日本に対する期待
- 病院マネジメント力の向上
※ 公立病院から非公立病院に技術力のある医師が出張して診療できるようになった為、そうした外部からの医師に対する病院のマネジメントノウハウ等が求められている。 - 医療関係の人材育成
- 日本の医療技術、医療ノウハウの提供
- 2.6 億⼈人の⾼高齢者に対する慢性病対策や介護ノウハウの提供
- 非公立病院は7 地域で直接外資による設立が認められており、日本からの進出も期待している
5)最近のデータ
- 非公立病院は、2010 年から2018 年までの8 年間で165.8%に増加、非公立医療機関は44.6 万機関(診療所等含む)となった。
中国本土全体の医療機関数(診療所等含む)は97 万機関。
結果、非公立医療機関は、中国全⼟土の46%を占める。 - 50 床以上の規模の⼤大きい医療機関は中国全体で3.1 万機関。
内、1.9 万機関(前年⽐比114%)が非公立病院(61.3%)
公立病院は1.3 万機関(前年⽐比97%) - しかし、大手医療機関(②)が提供しているサービス量で比較した場合、全体の80%を公立病院が提供しており、非公立は20%。
6)非公立病院の位置づけ
非公立医療機関は、急増中であるが、患者から医療技術が公立病院に劣るというイメージがつきまとっている。
※ 急増している背景には、公立病院からの技術力のある医師の出張診療が認められた事などにより、技術力に対する安心感が醸成されてきた等の背景があると思われる。
- 中央政府の「健康中国」政策の下、非公立医療協会は、傘下の医療機関の技術の向上、サービスの向上を諮っており、今後、中国の慢性病対策や高齢者医療等をはじめ、公立病院から非公立病院に患者がシフトされていく傾向がみられる。
- 当協会は国家発展改⾰革委員会に非常に近い存在であり(郝德明会長は、同委員会のメンバー)、今後、強い指導力のもと同協会を発展させていくものと考えられる。
7)機構の組織
